耐火物
Online ISSN : 2759-3835
Print ISSN : 0039-8993
68 巻, 4 号
耐火物 第68巻 第4号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
  • Yuta HINO, Shaowei ZHANG
    2016 年 68 巻 4 号 p. 154-164
    発行日: 2016/04/01
    公開日: 2024/05/01
    ジャーナル 認証あり
    カーボンブラックを1.5%含有した低カーボンMgO-Cれんがの亀裂進展挙動について,破壊力学的アプローチから検討した。その結果,R曲線から評価される臨界応力拡大係数は基準試料の条件で最も高い値を示し,基準試料の1.6倍まで骨材配合量を高めた条件で次いで高い値を示した。一方,粒子架橋応力を評価したところ,基準試料よりも骨材配合量を高めると粒子架橋応力が増加した。試験後破面の凹凸解析から架橋応力の大きさと骨材の関係を検討した結果,骨材の割合を増加させた時は,より多くの骨材粒子が引抜き効果に関与するという理由により,架橋応力が高まると推定さ れた。結果として,動的熱疲労破壊抵抗を高めた耐火物を提供するためには,高いマトリックス強度を有しつつ,骨材の 割合を増加させることが望ましいと推定される。
  • 黄 福祥, 丸岡 伸洋, 北村 信也
    2016 年 68 巻 4 号 p. 165-175
    発行日: 2016/04/01
    公開日: 2024/05/01
    ジャーナル 認証あり
    転炉精錬における耐火物溶損を低減するには,MgOのスラグへの溶解機構を解明することが重要である。多くの場合,スラグとMgOの界面にはFeO-MgO層が生成するため,本研究では,このFeO-MgO固溶体のスラグへの溶解速度を,スラグ組成,固溶体組成を変化させて測定した。その結果,以下の知見を得た。(1)FeO-MgO固溶体は安定ではなくスラグに溶解する。その溶解速度はスラグ中FeO濃度が高いほど増加し,MgO濃度が高いほど低下した。(2)いずれの条件でも固溶体中のFeO濃度はバルクよりスラグ界面の方が高かった。(3)スラグ界面近傍の固溶体中FeO濃度と溶解速度の間には明瞭な関係があり,これが溶解速度を支配する重要な因子と考えられる。(4)スラグ界面近傍の固溶体とスラグバルク中のFeO活量の差と,固溶体中のスラグ界面近傍とバルクとのFeO濃度差の間には相関が見られた。
  • 李 準佑, 赤津 隆, 上野 俊吉
    2016 年 68 巻 4 号 p. 176-180
    発行日: 2016/04/01
    公開日: 2024/05/01
    ジャーナル 認証あり
    円柱状気孔と連通孔を有するセラミックス多孔体を,CO2ガスを含む水系スラリーの一方向凝固,凍結乾燥および焼結のプロセスにより作製した。円柱状気孔は減圧下での凝固により形成され,セラミックス粉末と氷からなる多孔体が得られる。凝固過程の偏析により,複合組織が形成されるため,氷の相は連続的な構造となる。氷の相を凍結乾燥により除去し,円柱状気孔と連通孔を合わせ持つ乾燥体を作製し,1250℃で 5 時間焼結させることによりセラミックス多孔体を得た。円柱状気孔の気孔径と気孔率は,凝固時の圧力および焼結温度と時間で制御することができる。
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