大気環境学会誌
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日本での高濃度CO2環境下におけるFACEシステムを用いた2種の森林土壌へのCH4吸収の動態変化
Kim YongSuk渡辺 誠伊森 允一笹 賀一郎高木 健太郎波多野 隆介小池 孝良
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2011 年 46 巻 1 号 p. 30-36

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抄録

高濃度CO2環境が森林土壌への温室効果ガスであるメタン(CH4)の吸収に与える影響を調べるために、開放系大気CO2増加(FACE; Free Air CO2 Enrichment)システムを利用して調査を行った。北海道大学札幌研究林実験苗畑のFACE試験地にFACE区(Elevated CO2: 大気+130 ppmv)と対照区(Ambient CO2: 370 ppmv)を3つずつ設置し、各プロットに2種類の土壌(褐色森林土/火山灰土壌)を設定した。CH4フラックスは2008年と2009年の植物生育期間に各プロットの1個所で1年に4回ずつ閉鎖系チェンバー法を用いて測定した。CH4濃度はガスクロマトグラフ(GC-8A及びGC-14B、島津、京都)で分析した。測定期間中、土壌へのCH4吸収量は対照区に比べてFACE区で約半分に減少したが、土壌タイプの間には有意的な差は見られなかった。対照区ではCH4は全測定地点で土壌に吸収されていたが、FACE区ではCH4が発生している地点が観察された。

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© 2011 社団法人 大気環境学会
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