2012 年 47 巻 6 号 p. 285-291
国立環境研究所ライダー観測から導出されたダスト光消散係数は、近年の疫学研究等で黄砂到来の指標として用いられるここれまで地上でのエアロゾル観測による検証例が少ない。そこで、九州北部で開始した PM2.5 およびその組成に地上観測結果との比較により評価を試みた。長崎で地上観測された [SPM]-[ PM2.5] を用いると、TSP との間で過去りも良好な比例関係が見られた。しかし、長崎から距離100 km にある福岡太宰府における PM2.5 (Fe) と長崎におけるダスト光消散係数の対応の方が良く、両者が比例関係を示すことが明確に確認0.1 km-1付近からであった。従来から測定されているSPM と新たに測定が開始された PM2.5 との濃度比[SPM]-[ PM2.5] を用いて黄砂の粒径分布に関する情報を抽出できるか試みたところ、明確な3回の黄砂イベント時の日平均データが3 、この比が長距離輸送された黄砂に関する一つの特徴的な値であると考えられた。