大気汚染学会誌
Online ISSN : 2186-3695
Print ISSN : 0386-7064
ISSN-L : 0386-7064
海上空港による大気汚染の予測 (II)
大気拡散パラメータの推定法
大倉 光志西 亮
著者情報
ジャーナル フリー

1982 年 17 巻 3 号 p. 187-194

詳細
抄録

航空機を移動発生源として取り扱う場合や海陸風による非定常な拡散場などを考慮する場合, 汚染物質の大気拡散過程の解析にはパフモデルを用いるのが適当である。このモデルによる濃度計算に必要な3次元の拡散パラメータを推定するために, 実験から得られた実測濃度に最もよく適合する計算濃度を繰り返し計算で求める, いわゆる最適化法の適用を試みる。
泉州沖の関西国際空港予定地周辺で行われたトレーサー実験の結果にこの方法を適用した。内部境界層がパフの拡散に与える影響を考慮して, その拡散パラメータを推定した結果・陸上でその値が大きくなった。これは内部境界層内の大気の乱れの増加に対応しているものと考えられる。この拡散パラメータに基づく30分平均濃度の等濃度線図と瞬間濃度曲線をそれぞれ実測結果と非常によく一致させることができた。

著者関連情報
© 大気環境学会
前の記事 次の記事
feedback
Top