抄録
大気中の粒子状亜硝酸塩 (NO2-) の捕集法と化学的挙動を明らかにするため, 1.38~13.8mg/mlNaNO2水溶液を入れたガラス製の球状ネブライザーに清浄空気を12.5l/minの速度で通気させ, 粒子状NO2-を発生させた。粒子状NO2-の捕集法に関し, 炉紙法と比較するためザルツマン法についても検討した。
前記の方法で, NO2-は目的の実験に必要な濃度で, 長時間 (4時間以上) 安定に発生するとともに, NO2-含浸炉紙を動的方法で作製することができた。
ザルツマン法と同様に, 炉紙法は高濃度 (0.1~1mmol/m3) のNO2-捕集に用いることができるが, 大気中濃度の捕集にあたっては, 両法とも, あらかじめ妨害物質 (O3-H2OやNOx) を除去しておく必要がある。