大気汚染学会誌
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桜島の降灰調査 (I)
昭和53年度-昭和55年度調査
今吉 盛男前田 滋永田 実秋竹下 寿雄
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1982 年 17 巻 4 号 p. 319-327

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抄録
桜島に6ヵ所, 鹿児島市に14ヵ所, 合計20ヵ所の測定地点において, 1978年4月から1981年3月まで毎月未に降灰・降水共存試料を採取し, これをろ過し, ろ液について降水量, SO42-・Cl-濃度を定量し, ろ液の蒸発残さ分から水溶性成分を求めた。ろ過残さと水溶性成分の和を降灰量とした。またNo.16桜島中学校とNo.17国民宿舎桜島荘を除く18測定地点において, PbO2キャンドルに吸着した硫黄酸化物の定量も同時に行った。
この結果この測定期間において, 桜島の降灰量は9ないし13ヵ月の多降灰期に続いて暫らくの少降灰期を持つ周期性を有することがわかった。多降灰期には桜島の各測定地点で1,000ton/km2・month以上の大量降灰に見舞われた。一方鹿児島市では多降灰期で200ton/km2・month以上の降灰にはしばしぼ襲われるが, 冬季には季節風の関係でほとんど降灰には見舞われないことがわかった。
一方大気の硫黄酸化物汚染については, 全測定地点中, No.18桜島病院, No.19桜島荘の2測定地点が最も高い硫黄酸化物汚染度を示していた。
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