大気汚染学会誌
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種々の化学物質を含む吸入用エアロゾルの生成
田町 敏夫高橋 幹二伊藤 春海鳥塚 莞爾
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1983 年 18 巻 2 号 p. 147-155

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抄録

種々の化学物質を含むエアロゾル粒子は, 吸入実験用, 臨床薬あるいは工学的試験粒子として役立つが, このような場合には, 粒径の均一性と物理的ないし化学的な安定性が要求される。ここでは, 核発生部に超音波ネブライザーを用いた蒸発凝縮型エアロゾル発生装置を試作し, 種々の化学物質を含む粒子の発生を試みた。核となる化学物質にはウラニン, 重酒石酸ニコチン, ヒスタミン2リン酸塩を, これを包含する粒子主剤にはセバシン酸ジオクチルを用いた。発生粒子の粒径分布と濃度は, 核となる化学物質の液濃度, 媒質気体流量, ボイラー温度, リヒーター温度に依存するが, 適正な操作条件下では, 平均粒径1~2μm, 幾何標準偏差が1.2以下の均一なエアロゾル粒子が, 数時間にわたって安定な状態で発生できた。

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