大気汚染学会誌
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レーザーレーダーによる混合層高度の連続自動観測
笹野 泰弘松井 一郎清水 浩竹内 延夫
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1983 年 18 巻 2 号 p. 175-183

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抄録

混合層高度を連続的にモニターするためのMie散乱レーザーレーダーを製作し, 夏季に13日間にわたるテスト観測を行った。その結果, 晴天下の日中に発達する混合層高度の時間変化を明瞭に捉えることができた。
本装置は, 混合層高度モニターの専用装置として, 鉛直上方だけを測定対象とした単機能型となっている。混合層内は上層の自由大気に比べてエアロゾル濃度が高く, 混合層の上端で濃度が急減しているケースが多い。レーザーレーダーは, このエアロゾル濃度の鉛直分布を測定するもので, 演算により濃度の急減する高度を求めることにより, 混合層の高度を推定することができる。
本研究では, 局所的な濃度で正規化した濃度の鉛直勾配 (Sasano et al.1982) を指標として, 客観的にエアロゾル濃度の急減高度を求めている。

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© 大気環境学会
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