大気汚染監視システムとして移動計測車を活用する方策を検討した。ここでは対象全域の観測誤差分散の総和を最小にするような計測車の巡回スケジュールを探索理論を用いて決定し, その結果以下の知見を得た。すなわち,
1) 単一測定点の場合, ある期間に亘る観測誤差を最小にするには, 一定間隔で巡回すること。
2) 複数の測定点の場合は, それぞれの地点のデータの分散に応じて巡回頻度が割りつけられること。
3) 得られた手法に従って大阪府下の観測網に適用しいくつかの興味ある結果が見出されたこと。
ここでの手法はシステムモデルや評価関数を適当に改変することによって, 更に現実的で複雑な状況に対しても容易に拡張されるという意味で, 移動モニタリングのあり方を見出す基本的なものと考える。