1984 年 19 巻 1 号 p. 57-62
都市大気として名古屋を選び, 積分式ネフェロメーターを用い, 湿度50%以下の状態にした空気中の光散乱係数の連続測定を2年間実施した。その結果, 光散乱係数の月平均値は, 特に秋から初冬にかけて3×10-4m-1以上と高く, 極大を示していた。この極大は, 風速3m/sec以下の風の弱い状態において認められた。また, 季節によって光散乱係数の日変化に違いが認められ, 夏には日中の12時頃に極大値が存在するが, 秋および冬には8-12時の時間帯だけでなく, 夜の17-22時の時間帯にも極大値が認められた。春には, 他の季節と異なり, 規則的な日変化の型が存在しない。