大気汚染学会誌
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流跡線モデルによる光化学大気汚染の生成・拡散シミュレーション
吉門 洋河本 稔
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1985 年 20 巻 3 号 p. 205-214

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抄録
光化学大気汚染の発生過程を解明するための実験用のモデルとして, ラグランジュ型の流跡線モデルを試作し, いくつかの素過程の取り扱い方の検討と総合的なシミュレーショソを行った。流跡線に沿って移動するセルは500mを上限とする3層構造をとり, 各層中の化学反応と各層間および上層との間の鉛直拡散による濃度変動が計算される。具体的な対象地域・期間を選んでシミュレーションを行い, セルが注目する測定局に達したときのO3濃度を実測と比較することにより検証を行った。拡散係数の日変化や海上陸上の差などの与え方, 炭化水素パックグラウンド濃度の与え方, O3地表沈着の効果などの感度解析的検討を行ったうえで, 対象地域中央部の測定局に関して総合的なシミュレーションを行った結果, 計算O3濃度は良好な日変化パターンを示した。
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