抄録
金アマルガム法・冷原子吸光方式による水銀連続測定機を用い, 清浄地域である大台ヶ原にて大気中水銀濃度を測定した。
大台ヶ原における大気中水銀濃度は0.91~を38ng/m3, 平均値および標準偏差は1。58±0.54ng/m3 (n=235) であった。その濃度はSO2, NO2, NOx, CO濃度と強い相関 (r=0.599~0.673;SO2: n=234, NO2, NOx, CO: n=235) を示すことより, 清浄地域である大台ヶ原においても, 大気中水銀濃度は燃焼系より発する大気汚染物質濃度と同じ挙動を示すことが明らかになった。
また気象因子のうち風向についてはESE風系の時に相関係数が最大となり, 尾鷲方向からの水銀の移流が示唆された。
大台ヶ原における大気中水銀濃度の経時変化は夜間に高く昼間に低くなり, このような変動は尾鷲地域からの気流の移流によるものと推定した。