抄録
拡散モデルにおけるパラメータの最適化と定量的評価を, 直交配列表を利用した実験的回帰分析の考え方とSN比を応用して行うことを提案する。その利点としては, 以下のことが挙げられる。
(1) あらゆるパラメータの組合せについて計算した場合や繰返し計算による逐次近似を行った場合と同等の効果を, 少ない計算回数で得ることができる。
(2) 分散分析表を作成することにより, 各パラメータの影響度を寄与率として定量的に評価することができる。
(3) 拡散モデルによる観測値の再現性の評価基準としてSN比を導入することにより, 再現性を定量的に評価することができる。
本方法を, 著者らの提案した起状のある地形上における大気汚染予測システムに適用し, Garfield地区の拡散実験について, パラメータの最適化と定量的評価を行った例を示してその有効性を確認した。