抄録
植物葉中のカロテンに及ぼすオキシダントの影響を暴露試験と野外調査で研究した。
オゾン (O3) 暴露試験には, 葉中にα-, β-カロテンを含有するイチョウとニンジンを用いた。イチ ョウは0.3PPmの03に日中6時間, 3日間, ニンジンは0.25PPmの03に日中6時間, 2日連続暴露した。いずれの植物もO3暴露によってα-カロテンが著しく減少し, それに対しβ-カロテンの減少は低く, したがってα-/β-カロテン比は低下した。α-/β-力ロテン比の低下は, 03障害の指標に利用できるものと考えた。
次に, 1975~1976年の2ヵ年間, 大気汚染地域の大阪市および堺市に植栽されている街路樹のイチョウ葉中のカロテン含量およびα-/β-カロテン比について調査した。対照地域は奈良県大和高原沿い地域のイチョウを用いた。大気汚染地域のイチョウはO3暴露試験の場合と同様にα-カロテンの減少度が大きく, したがってα-/β-カロテソ比も低下した。α-カロテソ含量にオキシダントが影響しているものと推定した。