大気汚染学会誌
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流動床式都市ごみ焼却炉から排出される大気汚染物質
谷川 昇岩崎 好陽中浦 久雄泉川 碩雄
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1987 年 22 巻 1 号 p. 52-56

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抄録

焼却能力が150t/dの流動床式都市ごみ焼却炉 (流動床炉) から排出される大気汚染物質の排出挙動について調査を行った。
流動床炉の排ガスの性状は, ストーカ式都市ごみ焼却炉と比較するとNOx, ダスト, 臭気濃度は同程度であるが, SO2濃度は低く, CO, THC濃度は高い値であった。また, 過剰のCaCO3を流動床炉内に投入することにより, 湿式洗浄装置と同程度の高いHCI除去率が得られた。
流動床炉排ガス中のNOx, SO2, HCl, CO, THCなどの大気汚染物質およびO2の濃度は, ごみ投入量の変化に対応して激しく変動していた。特に, ごみ投入量が急増してO2濃度が急減することによって起きる低酸素燃焼時には, 高濃度のCO, THCと黒煙が排出され, ベンゼン, プロピレン, アセチレンなどの環状および不飽和炭化水素成分の増加が認められた。

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