大気汚染学会誌
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TEA戸紙捕集管法によって長期間継続的に測定されたNO2濃度頻度分布の統計的性質の検討
後藤 隆雄
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1987 年 22 巻 1 号 p. 87-96

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抄録

TEA戸紙法によるNO2濃度の簡易測定法を用いた系統的調査によって, 現実の生活場でのNO2濃度の時間的および空間的挙動性質の一部, 濃度分布を解明した。
(1) 調査時期の解析として, 甲子園の場合にも西播磨の場合にも近年低濃度ピークが少なくなり, 高濃度ピークが大きくなっている。
(2) 調査地区の解析として, 甲子園の場合にも西播磨の場合にも隣接する地区での濃度分布は類似している。
(3) 西播磨での160調査地点は, そこでの時間的濃度分布として, 正規分布15地点, 一山型の対数正規分が90地点, 二山型40地点などが求められた。またこの分布の50%タイル値を用いて表わした160地点の濃度分布は算術平均値で求めた濃度分布 (対数正規二山) に比べて現実的である対数正規一山であると判明できた。

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