大気汚染学会誌
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においと分子の特性に関する一考察
羅 東民高木 興一西田 薫山本 剛夫
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1990 年 25 巻 1 号 p. 85-96

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抄録
エーテル臭, 樟脳臭, ジャ香, 花香およびハヅカ香に対するにおいの類似度が0~8の数値で示されている, Amooreのデータのうち, 97の物質を用いて, 以下の検討を行った。
パターン認識の手法を用いることのできる計算機プログラムADAPTにより, 上記97物質について, 分子の64の性質についての数値を計算し, 類似度を目的変数とする重回帰分析を行った。各においごとに5つの説明変数からなる, もっとも相関係数の高い, 重回帰式を導出した。エーテル臭の場合が, 相関係数がもっとも高く, 0.844であった。これらの解析には用いられていない物質で, Amooreにより, エーテル臭をもつとされている27物質, ジャ香をもつとされている44物質について, 導出した重回帰式を用いて, それぞれ類似度を計算した。前者については, 27物質中26物質が, エーテル臭の類似度がもっとも大きい値を示した。後者についても, 44物質中33物質が, ジャ香の類似度がもっとも高い値を示した。
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