抄録
シガレヅトスモーク中には高反応性で見かけ上長寿命の気相ラジラルが存在することが見いだされている。このラジカルの生体への有害性に関する基礎的な知見を得るため, シガレットスモークおよびスモーク中の気相ラジカル生成をモデル化したオレフィン/NO/空気系反応ガスが生体膜の主要構成脂質である高度不飽和脂酸 (PUFA) の自動酸化を開始することを共役ジエン生成法および酸素吸収法を用いて検討した。その結果, シガレットスモークは主としてその気相ラジカルによりPUFAの自動酸化を開始し, 生体に有害な過酸化物を生成することを見いだした。