大気汚染学会誌
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小規模拡散実験による横方向渦拡散係数に関する実験的検討
大原 利眞
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1993 年 28 巻 1 号 p. 20-28

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抄録
スカラー量に関する横方向渦拡散係数Kyの特性について検討するために, 野外の小規模拡散実験と乱流計測を行った。Kyは, 実験結果を基に慣性小領域におけるラグランジュ・スペクトル式を決めた後に, このスペクトル式を使って推計した。安定領域における推計結果によると, 中立状態における鉛直方向渦拡散係数Kzで無次元化した横方向渦拡散係数Kyは10程度であり安定度ζ (z/L;Lはモーニン・オブコフ長) による変化は極めて小さい。一方, Kzは浮力の抑制効果により安定度が増加するに従って急減するために, Ky/Kzはζが大きくなるに従って急激に増大する。また, 中立状態の値で無次元化したKy/Kzのζに対する変化は, Uedaらによる室内実験の結果と定性的に一致する。
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