大気汚染学会誌
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二酸化窒素環境基準達成のための施策とその評価
宮崎 正信
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1993 年 28 巻 5 号 p. 253-265

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抄録
これまで, 窒素酸化物を中心とした自動車排ガスによる大気汚染対策として, 単体規制, 低公害車導入, 対策技術の開発等がなされてきたが, 大都市地域を中心に依然として改善の傾向がみられず, 厳しい状況が続いている。
このような状況のもと, 平成3年6月には自動車NOx法が成立し, 特定地域 (東京都, 神奈川県, 大阪府, 千葉県, 埼玉県, 兵庫県の一部) 内では, トラック, バス等に対する特別の措置がとられることになり, このほかの対策も併せ, 将来, 特定地域全体では, 現況との比較で3割程度の窒素酸化物総量の削減が図られ, 特定地域内の割程度の測定局が二酸化窒素の年間%値の評価で環境基準を達成するものと期待されている。
このように, 地域全体の濃度は今後低下していくものと見込まれているが, なお局地的には環境基準を達成できない地域が残り, 対策の検討は引き続き必要である。このため, 今後, ディーゼル乗用車対策, 対策技術の開発, 自動車交通公害防止型都市の形成などについて検討を重ねていく必要があると考えている。
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