抄録
焼却排ガス中のダイオキシソ類の代替指標物質として, クロロベンゼン類について, 溶媒抽出を主とした従来の方法に代わり, 捕集および分析が簡便かつ迅速な測定方法を確立した。
試料は, 排ガス中水分と粒子状物質の除去の後, 直列につないだ2本のTenax (R) 吸着管 (1本当たり約0.2g充填) に通気して捕集する。この条件で約20l以下の排ガス中のガス状クロロベソゼン類を十分に吸着捕集することが可能であった。
吸着管はTCT装置に接続し, 250℃に加熱することによって吸着成分の脱離を行い,-130℃に冷却したキャピラリー管にこれを再濃縮した後, 250℃に急速に加熱してガスクロマトグラフ内のキャピラリーカラムに導入した。
この方法を用いた測定結果から, 燃焼状態の良好なごみ焼却排ガス中のガス状クロロベンゼン類の総濃度は概ね10μg/m3N程度であった。物質別には, 1, 4-ジクロロベソゼンを主としたジクロロベソゼンおよび1, 2, 4-トリクロロベンゼンを主としたトリクロロベソゼンの濃度が比較的高く, 一方, ヘキサクロロベンゼンが最も低濃度であった。
このクロロベンゼン類測定値はダイオキシン類と良好な相関関係を示したことから, 同物質はダイオキシン類の代替指標物質として有効であると考えられる。