2020 年 45 巻 281 号 p. 35-43
業務用ビルにおける代表的な個別分散空調方式である電気ヒートポンプ式ビル用マルチエアコンを使用する利用者の満足度を高め、その普及を促進するためには、省エネ性、快適性、経済性を適切に評価できるようにすることが重要である。そこで、筆者らによる既開発のルームエアコン熱源特性モデルを改良し、ビル用マルチエアコンの熱源特性モデルを構築するとともに、実験で精度を検証した。この結果、ビル用マルチエアコンの任意の定常冷房運転時の消費電力や機器COPなどを簡便に推定できるようになった。本モデルは、メーカ公表データのみから特定機種をモデル化でき、汎用性が非常に高いことが大きな特長である。