抄録
行橋市周辺の石灰岩採石場やセメント工場からの粉じんが, デポジット貯留水のpHに与える影響を調べるため, 1987年2月-1988年2月の13ヶ月間水溶性成分の分析を行った。
その結果, nss-Ca2+がpHを中性に近づけるのに大きく寄与している事が確認できた。また, デポジット捕集容器中でのMg (OH) 2の生成, 浄水場の前塩素処理後の浄水工程から出る塩素によるnss-Cl-の降下量増加などの現象を把握する事ができた。
行橋市に降下する海塩粒子についても, 夏季は行橋市東部に接する周防灘が主な発生源であるが, 冬季は玄海灘などの西方海上から長距離を飛来している事が分かった。