抄録
セメントキルンによるフロン破壊技術は国連環境計画 (UNEP) が推奨しているフロン焼却技術のひとつである。この方法の有効性を確認するため, 実験用小型セメントキルンを用いて, 廃冷蔵庫より回収したフロン12の破壊実験を行い, フロンの破壊効率, 二次汚染物質の排出状況について検討した。
その結果, 通常のキルン運転条件でほぼ完全にフロン12を破壊できることを確認した。排ガス中のフッ化水素, 塩化水素濃度は0.06ppm以下であった。フロン破壊により, 低沸点有機塩素系化合物, クロロベンゼン類, ダイオキシン類の新たな生成はみられなかった。