抄録
樹木衰退に関与する土壌酸性度の影響を検討するため, 2年生の実生苗のスギとヒノキを対象にして, 水耕培養液のpHを調節することにより生育におよぼす根圏pHの影響について検討した。供試した培養液は1/5Hoagland's培養液で, 検討したpHレベルは, 3.5~4.0, 4.0~4.5, 4.5~5.0, 5.0~5.5, および5.5~6.0の5段階, 培養期間は15週間であった。
スギとヒノキは, 培養液のpHが3.5~4.0の場合に最も生長が良好で, pHが高くなると両樹種とも生長は低下することが明らかとなった。また, 葉や根の単位重量あたりの総塩基含有量も, pHが3.5~4.0の場合に多かった。これらの結果から, 両樹種は, 酸性条件に対して適応可能な特性を有した植物であると考えられた。