大気環境学会誌
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PFC, HFCを含むハロカーボン分析システムの開発と大気観測への応用
榎本 孝輝横内 陽子泉 克幸稲垣 敏治
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2005 年 40 巻 1 号 p. 1-8

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抄録
大気中のクロロフルオロカーボン (CFC), ハイドロクロロフルオロカーボン (HCFC), ハイドロフルオロカーボン (HFC), パーフルオロカーボン (PFC), 六フッ化硫黄 (SF6) およびハロン類は成層圏オゾン破壊物質あるいは温室効果気体として規制対象物質となっている。このうち, PFC. 14やHFC-23などの極低沸点成分は従来の低温濃縮/キャピラリーGC-MS法では測定が困難であった。本研究では, 小型冷凍器を用いた低温濃縮装置を開発し, 段階的昇温プログラムおよびモレキュラーシープの使用によって分析の妨害となる窒素や二酸化炭素を除去し, PFC, HFCにも対応した高感度, 高精度なハロカーボン測定法を構築した。検出限界は大部分の対象化合物に対して1ppt以下で, 良好な再現性, 直線性を確認した。本法を相模湾上空の大気観測に応用して, 各ハロカーボン類の500~7000mの鉛直分布を観測し, 日本におけるHCFCとHFC類の大量の排出を示すと共に, CFC11やCFC12の排出も続いていることを大気観測の側から示した。
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