大気環境学会誌
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集水域における硫黄の流入流出の収支バランス
藍川 昌秀平木 隆年駒井 幸雄梅本 諭徳地 直子
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2008 年 43 巻 1 号 p. 23-30

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抄録
降水, 霧水及び大気中ガス・エアロゾルによる集水域への硫黄の負荷と河川水による硫黄の流出について, その収支バランスを解析・考察した。調査は兵庫県粟鹿山 (丹波市青垣町) で行った。
粟鹿山の集水域 (流域面積4.28km2) への降水, 霧水及び大気中ガス (SO2)・エアロゾル (SO42-) による硫黄の負荷量は調査実施期間中それぞれ約1900kgS, 5100kgS, 270kgS, 80kgSであった。これは, 6.2kgS/ha/year, 23.2kgS/ha/year, 1.5kgS/ha/year, 0.45kgS/ha/yearに相当するものであった。
一方, 1999年4月21日から2000年4月22日までの一年間の河川水による硫黄の流出量は約5900kgSであり13.7kgS/ha/yearに相当する量であった。
粟鹿山集水域における硫黄の収支としては, 負荷量が流出量の約2倍であり, このことから, 粟鹿山集水域においては硫黄成分の過度の負荷・蓄積が進んでいることが明らかとなった。
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