大気環境学会誌
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市街地における短時間の濃度変動とピーク濃度に及ぼす大気安定度の影響
老川 進上原 清
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2008 年 43 巻 1 号 p. 31-46

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抄録

市街地にて大気安定度が短時間における濃度変動とピーク濃度に及ぼす影響を明らかにするために温度成層風洞を用いた実験を行った。3つの安定度 (不安定、中立、安定) において、ストリートキャニオン内からトレーサガスを放出し、高応答の濃度分析計を用いて計測した。安定時の濃度変動の標準偏差は中立、不安定時よりも大きいが、基準化した濃度変動の強度は安定度により変化しない。キャニオン内のピーク濃度は、安定時には中立、不安定時の2倍となる。安定時の濃度のピーク濃度と平均濃度の比は3~5の範囲にあり中立、不安定時よりも小さい。キャニオン内の安定時のガスの滞留時間は、中立、不安定時よりも長く、気塊はゆっくり動く。また安定時のプルーム塊は中立、不安定時より小さな気塊に細片化しにくい。

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