抄録
粘液産生胆管腫瘍の臨床病理学的検討に加え, 画像診断成績および胆管ドレナージを含めた治療成績について検討した. 自験例は全て, 胆管内の乳頭状増殖と粘液の産生を特徴とし, 胆管のびまん性あるいは限局性, 嚢胞状の拡張形態をとり, 膵IPMNに類似した病態であった. 切除5例の病理組織所見はPapillary adenocarcinoma3例, Borderline malignancy1例, Papillomatosis1例, であり, 明らかな浸潤を呈したのは1例でリンパ節転移例は認めなかった.
画像診断においては, US, CT, 直接胆道造影による腫瘍部の指摘率は67% (4/6) であり, 乳頭状隆起高の低い例や表層進展の診断には胆道鏡検査を要した. しかしながら, 粘稠な粘液が存在するため, 胆道鏡検査前あるいは黄疸・胆管炎に対するドレナージ法が今後の課題である.