胆道
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症例報告
下腹部腫瘤として発見された黄色肉芽腫性胆嚢炎を合併した胆嚢癌の一例
佃 和憲平井 隆二高木 章司
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2008 年 22 巻 5 号 p. 702-706

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抄録
黄色肉芽腫性胆嚢炎は胆嚢癌との鑑別が困難で, 両者の合併率も高く診断に苦慮することがある. 今回われわれは, 下腹部腫瘤として発見された黄色肉芽腫性胆嚢炎を合併した胆嚢癌の症例を経験した. 症例は85歳女性. 右下腹部痛のため近医受診し, 右下腹部腫瘤を指摘された. 術前検査では胆嚢に連続する5cm大の一部に嚢胞のある腫瘤を認めたが, 炎症性腫瘤と腫瘍との鑑別は困難であった. 術中所見では, 上行結腸および腸腰筋に強度に癒着しており胆嚢癌と考え, 上行結腸も合併切除した. 病理検査では嚢胞部に中分化腺癌がみられたが, 結腸と強固に癒着し浸潤を疑った底部には黄色肉芽性炎症があるのみで悪性所見はなかった.
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© 2008 日本胆道学会
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