胆道
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症例報告
肝吸虫症に併存した膵頭部癌の1例
貝田 将郷西田 次郎岸川 浩井口 清香森下 鉄夫
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キーワード: 肝吸虫症, 膵癌, 閉塞性黄疸
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2008 年 22 巻 5 号 p. 696-701

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抄録
症例は中国在住の71歳男性. 黄疸と褐色尿を主訴に現地病院を受診した際, 閉塞性黄疸と診断され, 精査加療の目的にて帰国後当院に入院した. 入院後PTBDを施行したところ, 排液胆汁より無数の肝吸虫の虫卵を検出し肝吸虫症と診断した. さらに腹部CTおよびMRCPにより膵頭部癌と診断した. プラジカンテルの投与によりドレナージチューブより多数の虫体が排泄されたが, その後も黄疸は改善せず全身状態は悪化し, 肝不全のため第61病日に死亡した. 剖検所見において肝吸虫は膵管内には認められなかった. 両疾患の併存例の報告は稀であり, 興味深い症例と思われた.
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© 2008 日本胆道学会
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