抄録
要旨: 総胆管結石症のため当院に入院した85歳以上の超高齢者141例について検討した.内視鏡的結石除去術あるいは内視鏡的胆管ステント留置術を試みた内視鏡的治療群135例と絶食および抗生剤の投与のみで治療した保存的治療群6例を比較すると,各群132例(97.7%),5例(83.3%)が軽快退院しており,内視鏡的治療群において有意に軽快率が高かった.また,内視鏡的処置を行った130例のうち完全除去群75例とステント留置群55例を比較すると,結石数が5個以上のものが完全除去できず胆管ステント留置で終了する傾向を認めたが,偶発症,軽快率,再発率に差を認めなかった.しかしながら,各群1例に術後脳血管障害を発症した.超高齢者においても総胆管結石に対する内視鏡的治療は有効かつ安全であり,全身状態が許せば,十分なインフォームド·コンセントと厳重な術中·術後管理の下で積極的に施行すべきであると考えられた.また,結石が残存しても,胆管ステントを留置することにより完全除去と遜色ない長期経過が期待できるため,速やかに処置を終えることを念頭に置いた柔軟な対応が望まれる.