抄録
要旨:当科における経皮的胆管結石治療について使用機器と実際の手技を中心に報告する.PTCD後にルートを内外瘻化し10Frまで拡張する.経皮経肝的に十二指腸乳頭を拡張.必要に応じて胆道鏡下に電気水圧衝撃波結石破砕装置による砕石を施行.結石は排石用として広径のバルーンカテーテルを用いて順行性に十二指腸へ排石する.さらにこの手技を発展させたPTGBDルートからの胆管結石除去も可能である.これまでにPercutaneous Transhepatic Papilla Baloon Dilation(PTPBD)58例,経皮経肝経胆嚢的胆管結石除去術17例を施行した.ドレナージチューブ抜去まで平均10.6日(最短4日)であった.経皮経肝的に十二指腸乳頭をバルーン拡張後に結石を十二指腸方向へ順行性に排石する本法は,結石をバスケットカテーテルなどで経皮的に回収する従来法に比し手技が迅速・簡便でかつ処置後の遺残結石も少ないことから今後経皮的胆管結石治療の一選択肢となると考えられる.