抄録
要旨:経時的画像変化を検討することで,胆嚢癌との鑑別が可能であった黄色肉芽腫性胆嚢炎(XGC)の1例を経験したので報告する.81歳の男性,胆石膵炎を疑われた2009年1月のCTでは胆嚢壁の軽度肥厚を認めるのみであり,ERCでは胆管に異常なく胆嚢は造影されなかった.5月のUSと腹部CTで胆嚢結石と胆嚢壁肥厚,胆嚢周囲の低吸収域を認め,ERCで総肝管の狭窄を認めたため,肝浸潤を伴う胆嚢癌が疑われ当科に紹介入院となった.入院後のUSで胆嚢壁の不整肥厚と,内腔に多数の結石を認めた.ERCとDIC-CTで胆嚢は造影されず,総肝管から左右肝管にかけ強い狭窄を認めた.胆管狭窄部からの生検で悪性所見は認めなかった.CTでは肝浸潤を疑った胆嚢周囲の低吸収域は改善傾向を示した.黄疸を認めず,胆嚢周囲低吸収域の改善を認めたことから術前XGCと診断し,胆嚢亜全摘術を施行,病理組織学的診断はXGCであった.