抄録
肝門部胆管癌に対する外科治療の進歩について,自験例の成績を紹介し解説した.術後合併症は年々減少傾向にあるが,他の消化器癌手術に比べれば未だ高率で,特に腹腔内膿瘍の発生は10%以上もあり,更なる改善の努力が必要である.在院死亡率は2006年~2011年の直近6年間では1.1%(=3/270)とacceptableな値になってきている.5年生存率は2001年以降の症例では,全切除例(在院死亡,pM1症例も含む)で38%であった.pM0かつR0かつpN0症例に限れば67%と良好であったが,pN1では22%と不良であり,有効な術後補助化学療法の確立が必須である.肝膵十二指腸同時切除(HPD),門脈合併切除,動脈合併切除などの拡大手術は在院死亡率2-3%程度で施行可能であり,長期生存も十分期待できるので,積極的に行っていく価値がある.