抄録
胆嚢癌では,根治的外科切除のみが唯一の治癒を期待できる治療法だが,進行胆嚢癌の予後は極めて不良である.その解剖学的特徴から,胆嚢癌は壁深達度・胆嚢周囲進展度(T因子)により予後が大きく異なり,外科的治療もそれに合わせた対応が必要となる.しかし,各進行度に合わせた至適術式の明確なエビデンスは乏しく,未だコンセンサスが得られていない.特にT2胆嚢癌は適切な外科治療により予後の向上が期待できるが,その至適肝切除範囲,リンパ節郭清範囲,肝外胆管切除の必要性など未だ議論も多い.当施設では胆嚢癌の進展経路・リンパ節転移の頻度・周術期合併症の頻度などを考慮し,肝中央下区域切除+肝外胆管切除+所属リンパ節郭清の施行が有用だと考えている.各症例での進行度に合った過不足ない術式選択が重要だが,術式選択に関する信頼性の高い報告が少ないため,各ステージにあった至適術式を明確にするための更なる試験が望まれる.