抄録
光線力学的治療(photodynamic therapy:以下PDT)とは,腫瘍親和性光感受性物質とレーザによる光線力学反応を利用して腫瘍を治療する方法である.胆管癌に対するPDTは癌による狭窄の解除や予後改善に一定の効果を示し,手術関連では切除断端癌陽性例へのadjuvant-PDTやneo-adjuvant-PDT,抗癌剤との併用が行われている.一方,光感受性物質は肝細胞に取り込まれ胆汁中に排出される.胆管癌の周囲には肝細胞や胆汁が多量に存在するため,レーザ照射にも一定の工夫が必要である.さらに胆道癌に対するPDTは保険承認されておらず,臨床,基礎研究ともに限られた施設で行われているのが現状である.しかし光感受性物質も光線過敏症の強いPhotofrinから,代謝速度が速くかつ長い波長のレーザに対応した次世代のLaserphyrin,Foscanが開発された.またPDT用の内視鏡も細径化,多機能化している.本稿では海外を含めこれまでの胆道PDTの歩みと現況を述べる.