抄録
当院でESTを行い完全切石に至り経過を追うことができた697例について再発率と再発の危険因子について検討した.観察期間の中央値は149カ月であり再発率は12.3%であった.男性,年齢70歳以上,傍乳頭憩室あり,胆管径15mm以上,胆嚢摘出術の既往例が危険因子となった.累積再発に関しては,年齢70歳以上,胆管径15mm以上が有意な危険因子であった.ROC曲線にて年齢について結石再発の適正なcut off値は75歳で有意差が認められた.総胆管結石の再発リスクが有意に増加すると考えられる年齢を75歳以上と規定した場合,男性,傍乳頭憩室あり,胆嚢摘出後のEST施行,胆管径15mm以上を全て満たした場合の再発の予測率はROC曲線より30%前後となり,全てを満たさない場合の非再発率は98.6%と推測された.EST後の結石再発に関して経過観察が必要な症例と必要のない症例を選別できる可能性が示唆された.