胆道
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原著
90歳以上の超高齢者総胆管結石症患者における内視鏡治療の検討
三村 享彦五十嵐 良典伊藤 謙原 精一宅間 健介岸本 有為岡野 直樹
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2016 年 30 巻 1 号 p. 70-78

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抄録
高齢化社会の進行に伴い,高齢者に内視鏡治療を行う機会が増えている.今回当院で経乳頭的に結石除去を行った総胆管結石症970例に対し,90歳以上の超高齢者群53例と90歳未満の群917例とに分類し,比較検討した.結果は90歳以上の群と90歳未満の群において,完全結石除去率はそれぞれ96.2%,99.8%であり,90歳未満の群は90歳以上の群に比べ結石除去率が有意に高かった(P=0.00009).治療回数はともに1.5回で有意差は認めなかった.ERCP手技に関連する偶発症の頻度においても有意差は認めず,良好な治療結果が得られた.しかし,高齢者では心肺系,脳血管系などに基礎疾患を有する症例も多く,時として非常に重篤な偶発症を併発することがあり,慎重な対応が必要である.基礎疾患を考慮した術前準備や患者管理,内視鏡治療手技の習熟,偶発症の早期発見と迅速な対応を行うことで,90歳以上の超高齢者に対しても安全かつ有効な内視鏡治療が行えると考えられた.
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© 2016 日本胆道学会
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