当科における胆道癌切除後の局所再発に対する化学放射線療法(CRT)について検討した.対象13例の原疾患は,胆管癌10例(肝内1例,肝外9例),胆嚢癌2例,十二指腸乳頭部癌1例で,再発部位は重複を含め胆管切離断端部(n=7),肝十二指腸間膜周囲軟部組織(n=5)およびリンパ節再発(n=3)であった.放射線療法は外照射法単独を10例に,胆管内腔照射法の併用を3例に施行し,併用化学療法は5-Fu,ゲムシタビンまたはS-1のいずれかを選択した.有害事象,局所治療効果,生存期間について検討した.12例で治療が完遂され,Grade2以上の有害事象を6例に認めた.加療後の局所増悪は4例で,治療後の生存期間中央値は9.7カ月,1年および2年生存率は38%と19%であった.CRTによる局所制御の奏効例では,有意に治療後生存期間が延長していた.胆道癌術後再発症例に対するCRTは,安全に施行可能であり,局所制御による生存期間の延長効果が期待できる治療法の一選択肢となりうると考えられた.