2017 年 31 巻 2 号 p. 180-186
胆管癌の診断は,良悪性の鑑別診断と治療方針・手術術式決定のための進展度診断が必要となり,ERCP関連手技は大きな役割を担っている.ERCP関連手技には胆管造影,IDUS,細胞診,組織診,胆道鏡がある.良性胆管狭窄との鑑別診断能は,胆管造影所見は感度74%-85%,特異度70%-75%,正診率72%-80%,細胞診は感度30-57%,特異度90-100%,生検は43-81%,特異度90-100%,胆道鏡は感度89-96%と報告されている.進展度診断には垂直方向の進展と水平方向の進展があり,術式決定に際しては特に水平方向進展度診断が重要となる.乳頭型や結節膨張型では表層進展が多く,結節浸潤型や平坦型は壁内進展が多いとされている.また,肝門部領域胆管癌は結節型と平坦型,遠位胆管癌では乳頭型と結節型の頻度が高く,進展様式に応じた検査法の選択が必要である.