2017 年 31 巻 5 号 p. 850-857
症例は79歳,男性.右季肋部痛を主訴に当院受診され,造影CTにて総胆管結石,壊疽性胆嚢炎と診断.発症から4日経過しており,アスピリン内服中であるためPTGBDによる加療を選択した.入院後経過良好であったが,11日目にPTGBDから血性排液を認め,造影CTにて胆嚢出血,胆嚢仮性動脈瘤と診断した.緊急開腹胆嚢摘出術を施行し,同時に総胆管切石術も行ったところ,胆嚢内には凝血塊が充満しており,総胆管内からは血腫および結石を認めた.病理では仮性動脈瘤と診断.術後経過良好であり,第15病日で退院となった.胆嚢仮性動脈瘤による胆嚢出血は極めて稀な病態であり,現在もまだ治療のstrategyは確立されていない.手術の時期や術式,治療(塞栓術・減黄等)の有効性などの検討が必要である.今回我々は仮性動脈瘤破裂による胆嚢出血に対して胆嚢摘出術を施行した1例を経験したため,文献的考察を加えて報告する.