胆道
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症例報告
先天性胆道拡張症に合併したmixed adenoneuroendocrine carcinoma(MANEC)の1例
橋本 真治小田 竜也下村 治倉田 昌直大河内 信弘
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2018 年 32 巻 2 号 p. 295-306

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抄録

症例は42歳男性.先天性胆道拡張症 戸谷Ia型に対して嚢腫切除+肝外胆管切除(分流手術)施行され,経過観察されていた.術後2年半の精査で膵内遺残胆管に隆起性病変を認め,乳頭浸潤型の膵内遺残胆管癌と術前診断し,亜胃温存膵頭十二指腸切除を施行した(SSPPD).切除病理標本は,異型腺管を伴う腺癌成分30%と胆管内腔に隆起するNeuroendocrine carcinoma成分70%の比較的明瞭な境界をもつ像を呈していた.Stage IB(UICC:pT2N0M0 fStage IB)の混合型腺神経内分泌癌(mixed adenoneuroendocrine carcinoma:MANEC)と最終診断した.補助療法は施行せず,厳重経過観察中である.先天性胆道拡張症の手術時に拡張胆管を残存させない術式が肝要である.本症例は,先天性胆道拡張症に合併した稀なMANECの1例であり,文献的考察を加え報告する.

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© 2018 日本胆道学会
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