症例は83歳,女性.上腹部痛を主訴に前医受診.精査の結果,上部消化管穿孔疑いで当院救急搬送となる.既往に慢性腎不全があり73歳時から維持血液透析が施行されている.来院時血液生化学検査では著明な肝機能障害と膵酵素の上昇を認めた.腹部造影CT検査では十二指腸周囲と後腹膜側に著明な腹腔内遊離ガス像と液体貯留を認め,十二指腸穿孔と診断,緊急手術を施行した.開腹すると総胆管に穿孔と壊死の所見を認め,胆道結石を認めなかったことから特発性総胆管穿孔と診断し,緊急で胆嚢摘出,肝外胆管切除を施行した.術後十二指腸側胆管断端の破綻があり,腸液の漏出を認めた.術後42日目に改善し,ドレーン抜去,術後71日目に転院となった.総胆管穿孔の原因は特定できなかったが,総胆管の血流障害が考えられた.