2020 年 34 巻 2 号 p. 223-231
症例は61歳男性.肺扁平上皮癌に対してNivolumabを計15コース投与し,最終投与2カ月後より心窩部痛が出現,血液検査にて胆道系酵素の上昇を認め,CTにて乳頭部から胆管にび漫性に造影効果を伴う壁肥厚を認めた.ERCPでは,総胆管拡張を認めるも狭窄は認めなかった.胆管生検では,上皮下にCD8陽性T細胞優位のリンパ球浸潤を認めた.上記所見より免疫関連(irAE)胆管炎と診断した.ステロイド治療やミコフェノール酸モフェチル導入も改善乏しくアザチオプリンに変更したところ,肝胆道系酵素は改善に転じ化学療法再開可能となった.irAE胆管炎は,ステロイドにて改善乏しい場合は免疫抑制剤の投与が推奨されているが,免疫抑制剤の有効性は明らかではない.アザチオプリン導入にて改善を認めたステロイド不応性irAE胆管炎を経験したため,文献的考察を加えて報告する.