2020 年 34 巻 4 号 p. 694-701
症例は81歳,女性.5年前に横行結腸癌,下行結腸癌に対し腹腔鏡下左半結腸切除術を施行した.病理組織診断は横行結腸癌がtub2,pMP,ly0,v0,PM0,DM0,pN0,pStageI,下行結腸癌がpap,pMP,ly0,v0,PM0,DM0,pN1,pStageIIIAであった.術後5年目のCT検査にて肝S8ドーム直下に1cm大の腫瘤を認め,B8背側枝の拡張と内腔に腫瘍性病変を認めた.胆管内腫瘍栓を伴う大腸癌肝転移と診断し,肝S8部分切除術を施行した.病理組織所見上異型細胞に置換された胆管上皮から胆管内への腫瘍の発育を認めたが,胆管外への腫瘤形成は認めなかった.免疫組織染色ではCK7(-),CK20(-),CDX-2(+)であり,大腸癌胆管転移と診断した.肝実質内に腫瘤を形成せず胆管上皮へ転移し胆管内発育した大腸癌胆管転移の一例を経験したので報告する.