胆道
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総説
IgG4関連硬化性胆管炎診療ガイドライン2019
窪田 賢輔正宗 淳
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2021 年 35 巻 1 号 p. 54-61

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抄録

IgG4-sclerosing cholangitis(IgG4関連硬化性胆管炎;IgG4-SC)はIgG4関連疾患の胆管病変であり,その70-90%に自己免疫性膵炎(AIP)を合併する.AIPを合併しないIgG4-SCも報告されているが,AIPの治療がそのまま適用されている.今回,IgG4関連硬化性胆管炎診療ガイドライン2019が作成された.IgG4-SCはAIPと異なり,単独発症例の特徴や癌化を含めた長期予後,ステロイドの至適投与期間,病因など明らかになっていない部分が少なくない.このため,今回のガイドラインは低いエビデンスレベルを補うため,Delphi法によって決定された,エキスパートのコンセンサスにもとづいて作成された.今後,臨床研究によるさらなるエビデンスを蓄積やバイオマーカーの開発などをふまえた改訂により,世界のIgG4-SC診療をリードする信頼すべき指針であり続けることが期待される.

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© 2021 日本胆道学会
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