胆道
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総説
急性胆管炎・胆嚢炎に対する抗菌薬治療
渡邉 学浅井 浩司森山 穂高鯨岡 学渡邉 隆太郎松清 大斉田 芳久
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2021 年 35 巻 5 号 p. 713-721

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抄録

急性胆管炎・胆嚢炎は,発症から診断までの時間を考慮し,病態が重篤化する前に治療方針を決定することが重要な疾患である.治療の原則は,胆嚢摘出術や胆道ドレナージなどの感染源の局所コントロールと抗菌薬治療である.抗菌薬治療においては,多剤耐性グラム陰性菌の蔓延により抗菌薬治療も変化している.「急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン2018」では,市中発症(重症度別)および医療関連感染に分類して初期治療推奨薬が提示されており,各施設の感受性パターン(アンチバイオグラム)も考慮した抗菌薬の選択を行う.また,エンピリックに投与された初期治療薬は,血液培養・胆汁培養検査にて微生物が同定され,感受性結果が判明すれば,最適治療薬へde-escalationすることが重要である.本稿では,ガイドラインに基づく急性胆管炎・胆嚢炎に対する抗菌薬治療について述べる.

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© 2021 日本胆道学会
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