2022 年 36 巻 2 号 p. 166-171
膵頭十二指腸切除術後に針状の肝内結石形成を反復する1例を報告する.症例は60歳代男性.膵管内乳頭粘液性腫瘍に対して膵頭十二指腸切除術を施行した.術後2年目のCTで左肝内胆管から胆管空腸吻合部にかけて線状の高吸収像が出現した.術後4年目に中等症の急性胆管炎を発症し,バルーン小腸内視鏡によるERCを施行した.左胆管から胆管空腸吻合部にかけて黒茶色の針状物の束と泥状の結石が充満しており,把持鉗子,バスケット鉗子を用いて除去した.経過は良好であったが,内視鏡治療2年後に急性胆管炎を発症し,CTで前回同様に線状の高吸収像が出現した.再び小腸内視鏡検査によるERCを施行し,吻合部に針状の結石を認めたため除去した.その後のCTで線状の高吸収像は消失していたが,再治療1年後に再び描出されるようになり,現在も経過観察中である.針状物を成分分析に提出したところ,主成分はビリルビンカルシウムであった.