2023 年 37 巻 5 号 p. 880-886
症例は65歳,女性.前医にて胆嚢癌,多発リンパ節転移の診断で化学療法中であった.閉塞性黄疸にて当科に紹介された.造影CTにて胆嚢体部に造影効果のある類円形の腫瘤を認め,肝門部から大動脈周囲に連続する著明なリンパ節腫大を認めた.MRIの拡散強調画像では病変部の拡散能の著明な低下を認めた.EUS下胆道ドレナージ後,リンパ節に対するEUS下穿刺吸引法にてneuroendocrine carcinoma(NEC)と診断した.CBCDA+VP-16療法を導入し,一時的にpartial responseとなったが,2クール目途中より胆嚢腫瘍の増大所見を認めた.腫瘍の肝浸潤部からも経皮的生検を施行したが同様の病理組織像であった.本症例では病期が進んでからの治療介入となったが,EUS下穿刺吸引法による組織診断を積極的に行うことで,希少癌に対しても適切な治療法を提供できる可能性がある.